和華蘭いきマス、「長崎卓袱濱勝」でディナー♪

和華蘭(ワカラン)ってわかりますか? 和は日本、華は中国、蘭はオランダで洋食全般という意味なので、和洋中折衷料理となりマス。そして卓袱は卓がテーブルで袱が...どうやら覆い被せるという意味なのでテーブルクロスなのかな? でもクロスなんてかけねえし、むき出しの卓だけれども朱塗りという定義はあるらしい。卓袱という言葉が出来てから長い年月は経過しているので変革があったのでしょう。卓袱で考え直すと朱塗りのテーブルで椅子、大皿の和華蘭料理が出て来る。そして無粋な事として食事に使う取り皿は2枚以上使用しないという事と、取り箸は使用せず、取り分けを強要しないのが客側のマナーだそうデス(^_-)-☆

江戸時代に普及する卓袱料理は、長崎という異国人達との共存を意味する。当時日本の食事形式としては各人が別々のお膳で出て来るスタイルなので、テーブルで椅子を使用しての食事スタイルは斬新だったのであろう。そして直箸や自分用の呑水(トンスイ)と呼ばれる大振りの匙・スプーンを使用して大皿から自分で料理を取り分けるというスタイル...ん、呑水って...そうだよね、鍋で使う小鉢じゃねえのかい。あれで取るのかウィキペディアさんよ~https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%93%E8%A2%B1%E6%96%99%E7%90%86 まぁ、食べログと同じで信じすぎるのも良くないでしょう。多分、大きな匙・スプーンというか、湯匙(タンシ)の事かなぁ~。まぁ、そういうので食べたい料理を自分で取る、そして使う取り皿は二枚限定というルール、掟に従って宴は開催されていたようデス!!

 

さすが、卓袱の長崎は名店揃いで創業360年を超えて史跡として認定された「花月」、「坂本屋」「一力」...名店犇めく中で選んだのは、まぁ予算もあるし、予定もあるしネ...今回の夕食は「長崎卓袱濱勝(ハマカツ)」さんにしました!

リンガーハットグループの総本山、フラッグシップである本店がコチラなのデス(本社としては東京は大崎の御殿山)。創業者は鳥取県出身で米濱家3人兄弟(後に三男が独立、次男入社)で1962(昭和37)年起業したのが「とんかつ浜勝」で、本店の近くにありました。

そしてリンガーハットさんもその近くにあるんですナァ~。ほー、こちらは特別店舗で実施中の「myちゃんぽん」対応なんですナァ~!

あ、ちなみに三男の方が独立して出されたお店は福岡を中心に長崎、ワイキキで展開しているお店を経営されています。同郷の横綱との交流が現在に繋がったんですネ~♪

★ (株)鬼が島本舗「博多・めんちゃんこ亭」

   http://www.menchanko.co.jp/history.html


1968(昭和43)年創業、祝50周年記念「おたくさ」コースを注文!

当然の日本酒はコレだぁ~♪

さぁ~て、カンパーイ...って、そうデス、今日は卓袱料理なのデス。一番最初の儀式があるんデス。それは“おヒレ”です。卓袱では食事が開始されたらお椀が到着しマス。そして女将さん、長崎ではオカッツァマから「御鰭をどうぞ」という声かけ後にコノお吸い物を頂戴するのデス!

御鰭をどうぞ!

それでは早速...上品な鰹出汁でしっかりと胃が温まりマス。丸モチ、玉ハンペン、対馬ドンコに鯛、水菜...スーっと入りますネ~。中国では羹系からが宴席料理になるのが本来の考え方で、目的は同様に胃への「これから食事が始まりますよ~」というお知らせデス。やはり通ずるモノがあるのデスナァ~。というワケでカンパーイ...クゥ~、おー、樽の香りが酒の旨味を引き立てマス、ウマシー!!

マァ~、見事な前菜。飯蛸の桜煮...これは素晴らしい食感と風味、空豆もヨーシ。キャラブキがまたお見事で、極細のアスパラはトローリチーズとベーコンで楽しい。そしてトロクスンではなく、ちと大きめの十八寸(トハッスン)豆の密煮は甘過ぎずGOOD。鰆も木の実焼きは直接胃を刺激しマス。ちょこちょことツマミながらグイーと...おーキマシタ!

平寿(ヒラス/ヒラマサ)、梶木(カジキ)、鯛、で刺身三点盛り♪

鮮度、そして仕込みと素晴らしい腕前。特に鯛の身が...美味い!! 本来コレでグビーなんですが、ちょっとビックリする位で箸が止まらない。あ、次が来ました!!

エダマメで紫陽花揚げ~は別名で長崎ハトシ~♪

長崎名物の一つはパンに海老のすり身を挟んで揚げるハトシは卓袱には欠かせない一品。そうですネ~、蝦吐司(ハー又はシャーでトースー)。日本中国料理では俗にトースーと言われており、宴会料理ではパンに海老のすり身を塗って揚げてますナァ~。コレは変形バージョンの紫陽花揚げ。知ってますか、長崎県の花の一つはアジサイなので長崎ハトシとなりマス。ちなみに今回は「おたくさ」コースですが、コレもアジサイを表しマス。そして、後世に名を遺すオランダ医師のシーボルト氏が紫陽花の和名(実際は別称となる)を名付けたのですがそれがOtakusaで、当時の恋人であったお滝(オタキ)さんの名前から、「紫陽花のように綺麗なお滝さん」から来ているといわれてマース(^_-)-☆

 

「この後、豚の角煮とお食事ですが...。」やはり品数が少なかったか、いや、出て来るスピードが速いのか。「もう少ししてからでお願いします」...ここまで20分程で酒を飲む間も無し。まぁ、このコース自体が品数少な目になっているので、こうなるだろうと予測はつく。ではココで公式ページの集合画像を見てみよう。

イメージ的な卓袱を表現するとこうなるのだろう。目の前に多くの料理が並んでワイワイガヤガヤと賑やかで楽しい祝宴ですなぁ~。このイメージで実際のオペレーションにすると当然の早出し基本となる。そして正規の卓袱料理のコースに比べると2品ほど少ないのに同じペースで出せば...当然だよネ、熱いモノは熱いうちに食べたいから早くなってしまうのデス。では、どうするか。一品ずつで食べ終わるくらいに出すと客ペースとしてはコノ量で満足すると思われるが、これは卓袱料理なのだ。大皿で卓に並ぶ料理に目を奪われてアレも食べたい、コレも食べたいという演出が必要となる。そして「朱塗りの円卓」という縛り。やはり、少人数には向かないのか、特に2名...が、組客数で圧倒的に多いのは2名なのだから、「当店は5名以上対象なんですよ~」なんて事をしたら、売上と人件費でたちまち経営自体が成り立たない状態となる。ま、卓袱という大義名分を外さないで出し方も変えないのならば、今回コチラがやられているような一品多いからプラス1000円、二品ならば2000円のような構成ではなく、品数を変えないでコース構成を考えるべきだろうネ。そして今でもそれはしているのだろうが、一品当たりの量を減らす努力、になるのかなァ~。後は...グビー、モグモグ...品数をこのままで行くならペースダウンであろう。量的にはコレで十分だからネ。「あ、豚の角煮と食事お願いしマース」!!

雲仙産豚角煮とホウレン草~♪

仕込みバッチリで、肉身自体が丁寧に仕上がってマス...でもネ、スゲェ~甘いゼイ。噂には聞いてましたが、これは甘い。長崎角煮はさっきの角煮マンでもそうでしたが、それが特長なのデス。それにしてもコレだけ丁寧な脂状態なのに...あ、ゴハン来た!

結局、角煮の甘さに圧倒されてお酒はココでは終了、お茶が美味しいデス。白菜と人参の浅漬けと隠岐の天日干しゴハンに助けられました。そして〆はブラブラ漬けと甘い汁でフィニッシュ!!・・・って、結構すきなんじゃあないの(^_-)-☆

「ゴハンと漬物はオカワリできますから」と言われてましたが、ま、この後どっか寄ってもいいし、コチラはこの辺でにしときましょう。そしてデザート登場!!

ご馳走様でした、美味しくいただきました。本場長崎の卓袱料理をしっかりとお勉強出来ました、ありがとうございマースm(__)m

入店18:50で退店が20:00。失敗したなぁ~、これならカピタンコースにしとけばよかったかなぁ~、腹は7~8分目で酒は飲み足りてない状態デス。が、料理的には素晴らしい、特に刺身が秀逸でした。まぁ、お鰭後の3品の出し方で随分変わるんだけどナァ~、2名客重視で2~4名と5名以上の料理進行は違う構成で構築すると、より素敵なお店になるのではないでしょうか。あ、後、角煮の甘さかなぁ~(^_-)-☆

★ 長崎卓袱・濱勝 ~リンガーハットグループ本店~

  https://www.sippoku.jp/

 

まぁ、プラプラとホテルまで帰る途中で気が向いたらネ。女房殿も運転で疲れてるし、明日の朝も早くから観光デース♪

 

和魂華才、俺のCHIなサロン!

日本の中国料理についてのこれまでの知識、そしてこれからの情報を自分なりにまとめて発信しマス! ご興味ある方はぜひお付き合いいただければ幸いデース(^_-)-☆